「仮想通貨取引所の手数料って、結局どこが一番安いの?」という質問は非常に多く寄せられます。しかし実は、単純に「ここが一番安い」とは言い切れないのが仮想通貨取引所の手数料事情です。
なぜなら、手数料の種類が複数あり、取引所ごとに料金体系がバラバラだからです。「取引手数料無料」と宣伝していても、スプレッドでしっかり取られていたり、入金は無料でも出金は有料だったりと、「見えにくいコスト」が潜んでいます。
この記事では、主要な仮想通貨取引所の手数料を取引手数料・スプレッド・入出金手数料・送金手数料の全項目で比較しました。自分にとって本当にお得な取引所を見つける判断材料にしてください。

仮想通貨取引所でかかる手数料の種類
まず「どんな手数料がかかるのか」を整理しておきましょう。全体像を把握しておかないと、正しい比較ができません。
1. 取引手数料
仮想通貨を売買するたびにかかる手数料です。「板取引(取引所形式)」と「販売所形式」で金額が異なります。
- 板取引(取引所形式):Maker手数料とTaker手数料がある。Makerは指値注文を出す側、Takerは成行注文で即約定させる側
- 販売所形式:取引手数料は「無料」と表記されることが多いが、実質的にスプレッドがかかる
2. スプレッド
これが最も見落としやすい隠れコストです。スプレッドとは買値と売値の差額のこと。たとえばビットコインの買値が1,001万円で売値が999万円なら、スプレッドは2万円です。
販売所形式では必ずスプレッドがかかります。一方、取引所形式(板取引)ではスプレッドが非常に狭い(ほぼゼロに近い)ことが多いのが特徴です。
3. 入出金手数料
日本円を取引所に入金したり、出金したりする際にかかる手数料です。銀行振込の場合は振込手数料も別途発生する場合があります。
4. 暗号資産の送金手数料
仮想通貨を他の取引所やウォレットに送金するときにかかる手数料です。MetaMaskにETHを送ったり、他の取引所にBTCを移動したりする際に必要になります。

取引手数料の比較
板取引(取引所形式)の手数料比較
| 取引所 | Maker | Taker | 備考 |
|---|---|---|---|
| GMOコイン | -0.01% | 0.05% | Maker手数料マイナス |
| bitbank | -0.02% | 0.12% | Maker手数料マイナス幅最大 |
| Coincheck | 0% | 0% | BTC/JPYのみ板取引対応 |
| bitFlyer | 0.01〜0.15% | 0.01〜0.15% | 取引量に応じて変動 |
| SBI VCトレード | -0.01% | 0.05% | GMOコインと同水準 |
| BITPoint | 0% | 0% | 完全無料 |
Maker手数料で最もお得なのはbitbankです。-0.02%なので、100万円分の指値注文を出すと200円の報酬がもらえる計算になります。
Taker手数料まで含めた総合コストで見ると、GMOコインとSBI VCトレードが最もバランスの良い手数料体系です。Maker -0.01%、Taker 0.05%の組み合わせは、指値メインの方にも成行メインの方にも優しい設計と言えます。
販売所のスプレッド比較
販売所のスプレッドは常に変動しますが、記事執筆時点でのビットコインの平均的なスプレッドを調査しました。
| 取引所 | BTC スプレッド目安 |
|---|---|
| GMOコイン | 約3〜5万円 |
| bitFlyer | 約4〜6万円 |
| Coincheck | 約5〜7万円 |
| bitbank | 約3〜5万円 |
| SBI VCトレード | 約4〜6万円 |
| LINE BITMAX | 約5〜8万円 |
ビットコイン価格が1,000万円前後とすると、スプレッド5万円は約0.5%のコストです。板取引の手数料(0.05%程度)と比べると10倍ものコストがかかっている計算になります。
販売所のスプレッドは板取引の10倍以上のコストになることがあります。コストを抑えたい方は、面倒でも板取引(取引所形式)を使う習慣をつけましょう。
入出金手数料の比較
| 取引所 | 日本円入金(即時) | 日本円出金 |
|---|---|---|
| GMOコイン | 無料 | 無料(大口出金400円) |
| SBI VCトレード | 無料 | 無料 |
| BITPoint | 無料 | 無料 |
| bitbank | 無料 | 550円(3万円未満)/ 770円(3万円以上) |
| Coincheck | 無料 | 407円 |
| bitFlyer | 無料 | 220〜770円 |
| LINE BITMAX | 無料 | 110〜400円 |
入金はどの取引所もネットバンキングからの即時入金なら無料です。差がつくのは出金手数料の部分になります。
GMOコイン・SBI VCトレード・BITPointの3社は出金手数料も無料です。利益確定後に日本円を銀行口座に戻す際のコストがゼロになるのは、地味ながらありがたいポイントでしょう。

暗号資産の送金手数料比較
| 取引所 | BTC送金 | ETH送金 |
|---|---|---|
| GMOコイン | 無料 | 無料 |
| SBI VCトレード | 無料 | 無料 |
| BITPoint | 無料 | 無料 |
| bitFlyer | 0.0004BTC | 0.005ETH |
| Coincheck | 0.0005BTC | 0.005ETH |
| bitbank | 0.0006BTC | 0.005ETH |
| LINE BITMAX | 0.001BTC | 0.005ETH |
送金手数料でもGMOコイン・SBI VCトレード・BITPointが圧倒的に有利です。BTCの送金手数料0.0005BTCは約5,000円相当にもなるため、DeFiやハードウェアウォレットへの送金頻度が高い方は送金手数料無料の取引所を選ぶべきでしょう。
手数料を抑えるためのテクニック
テクニック1:板取引を使う
繰り返しになりますが、これが最も重要です。販売所のスプレッドは板取引の10倍以上のコストになることもあります。面倒でも板取引(取引所形式)で売買する癖をつけることが、コスト削減の第一歩です。
テクニック2:Maker注文(指値注文)を活用する
GMOコインやbitbankではMaker手数料がマイナスです。指値注文を出すだけで手数料がもらえる仕組みなので、急いでいないなら成行注文ではなく指値注文を使いましょう。
テクニック3:送金用の取引所を分ける
トレードはbitFlyerやbitbankで行い、送金が必要なときはGMOコインやSBI VCトレードに移してから送金するという使い分けも有効です。手間はかかりますが、送金手数料を大幅に節約できます。
テクニック4:入出金の回数を減らす
出金手数料がかかる取引所を使っている場合は、こまめに出金するのではなく、ある程度まとまった金額になってから出金するのがコスト削減の基本です。
- 板取引を使う(販売所のスプレッドを回避)
- Maker注文(指値)でマイナス手数料の恩恵を受ける
- 送金は手数料無料の取引所から行う
- 出金はまとめて回数を減らす
手数料だけで選ぶのはNG?他に考慮すべきこと
ここまで手数料比較をしてきましたが、手数料だけで取引所を選ぶのは必ずしも正解ではありません。セキュリティ、取扱通貨数、アプリの使いやすさ、サポート体制なども重要な判断材料です。
手数料が安くてもセキュリティが甘ければ意味がありません。暗号資産に関する基本的な注意点は金融庁の暗号資産関連ページでも確認できます。
手数料はしっかり比較した上で、その他の要素も含めて総合的に判断するのがベストです。
確定申告時の手数料の扱い
取引手数料や送金手数料は確定申告時に経費として計上できる場合があります。仮想通貨の利益は雑所得として申告しますが、その際に手数料分を差し引ける可能性があるため、記録はしっかり残しておきましょう。
詳しくは国税庁の暗号資産に関する税務ページをご確認ください。

よくある質問(FAQ)
Q. 結局、一番手数料が安い取引所はどこですか?
A. 総合的にはGMOコインが最もバランスが良いです。取引手数料、入出金手数料、送金手数料のすべてがトップクラスの安さです。Maker手数料だけで見ればbitbankが最安になります。
Q. 販売所と取引所(板取引)の違いがよくわかりません。
A. 販売所は業者から直接購入する方式で操作が簡単ですが、スプレッドが高くなります。取引所はユーザー同士で売買する方式で、手数料が安い代わりに注文方法の理解が必要です。
Q. 手数料の比較表は定期的に変わりますか?
A. 各取引所が手数料を改定することがあるため、口座開設前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
Q. 複数の取引所を使い分けるのは面倒ではないですか?
A. 最初は手間に感じるかもしれませんが、慣れると手数料削減の効果が実感できます。まずはメインの取引所を1つ決めて、必要に応じてサブの取引所を追加する進め方がおすすめです。
Q. 少額投資でも手数料を気にすべきですか?
A. 少額投資だからこそ手数料の影響は大きくなります。投資額が小さいほど手数料が利益に占める割合が高くなるため、特に出金手数料と送金手数料は事前に確認しておきましょう。
まとめ:手数料で選ぶならこの取引所
- GMOコイン:全手数料がトップクラスに安い万能型。迷ったらここ
- SBI VCトレード:GMOコインとほぼ同等の手数料体系。SBIグループの信頼性も魅力
- bitbank:Maker手数料が最もお得。指値トレーダーに最適
手数料は1回の取引では小さな差でも、年間で見ると数万円の差になることがあります。この記事の比較データを参考に、自分の取引スタイルに合った取引所を見つけてみてください。

※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。


