「イーサリアムのステーキングって何?」「どうやって始めるの?」「どのくらいの利回りが期待できるの?」――こうした疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。
イーサリアムは「The Merge」でPoS(Proof of Stake)に完全移行してから、ETHを保有しているだけで報酬がもらえるステーキングが可能になりました。
記事執筆時点では、イーサリアムのステーキングで年利3〜5%程度の利回りが期待できます。銀行預金の金利と比べると圧倒的に高い水準です。この記事では、初心者でも始められるステーキング方法を3つご紹介します。

イーサリアムのステーキングとは
ステーキングとは、ETHをネットワークに預け入れて(ロックして)、トランザクションの検証に参加することで報酬を得る仕組みです。
マイニングのように高価な機材や大量の電力は必要ありません。ETHを保有して預けるだけで、ネットワークのセキュリティに貢献しながら報酬を受け取れます。
ステーキングの報酬はどこから来るのか
- 新規発行されるETH:ブロック報酬として新しいETHが発行される
- 取引手数料の一部:ネットワーク上の取引手数料がバリデーターに分配される
- MEV(Maximal Extractable Value):トランザクションの並び替えから得られる追加報酬
ステーキングの3つの方法
イーサリアムのステーキングには、大きく分けて3つの方法があります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
方法1:ソロステーキング(上級者向け)
自分でバリデーターノードを立てて、直接ステーキングする方法です。
必要なもの:
- 32ETH(最低ステーキング額)
- 常時稼働するPC(推奨:16GB以上のRAM、2TB以上のSSD)
- 安定したインターネット回線
- 技術的知識(Linuxの操作、コンセンサスクライアントの設定など)
メリット:
- 報酬を100%自分で受け取れる(手数料なし)
- ネットワークの分散化に最も貢献できる
- 第三者リスクがない
デメリット:
- 32ETH(記事執筆時点で数百万円相当)が必要
- 技術的なハードルが高い
- ノードがオフラインになるとペナルティ(スラッシング)のリスク
- ステーキング中はETHがロックされる
正直なところ、初心者にはハードルが高い方法です。32ETHという金額面でもかなりの投資が必要になります。

方法2:リキッドステーキング(中級者向け・おすすめ)
リキッドステーキングサービスを使って、少額からステーキングする方法です。記事執筆時点で一番人気のある方法といえます。
代表的なサービス:
- Lido(stETH):最大手のリキッドステーキングプロトコル。TVL(預け入れ総額)で圧倒的シェア
- Rocket Pool(rETH):より分散化されたプロトコル。ノードオペレーターも参加可能
- Coinbase(cbETH):米大手取引所Coinbaseが提供するリキッドステーキングトークン
仕組み:
- ETHをプロトコルに預ける
- 代わりにステーキング証明トークン(stETH、rETHなど)を受け取る
- ステーキング報酬はトークンの価値に反映される
- 証明トークンはDeFiで運用したり、いつでもETHに交換できる
メリット:
- 少額(0.01ETHなど)からステーキング可能
- ステーキング中もDeFiで証明トークンを活用できる(流動性が失われない)
- 技術的知識が少なくても始められる
デメリット:
- 手数料がかかる(Lidoは報酬の10%)
- スマートコントラクトのリスク
- 証明トークンがETHと乖離する(デペッグ)リスク
方法3:取引所ステーキング(初心者向け)
国内外の取引所が提供するステーキングサービスを利用する方法です。最も手軽に始められます。
国内対応取引所の例:
- SBI VCトレード:ETHのステーキングに対応
- GMOコイン:ステーキングサービスを提供
- bitFlyer:ステーキングサービスを展開
メリット:
- 取引所にETHを預けるだけでOK。操作が非常に簡単
- MetaMaskの操作やDeFiの知識は不要
- 日本語サポートあり
デメリット:
- 手数料(ステーキング報酬の20〜30%程度)が高い
- 取引所のカウンターパーティリスク
- 利回りがリキッドステーキングより低くなりがち
初心者はまず取引所ステーキングから始めて、慣れてきたらリキッドステーキングに移行するのがおすすめの流れです。

各方法の利回り比較(記事執筆時点の目安)
| 方法 | 年利目安 | 手数料 | 最低金額 | 難易度 |
|---|---|---|---|---|
| ソロステーキング | 4〜5% | なし | 32ETH | 高 |
| リキッドステーキング | 3.5〜4.5% | 報酬の10%前後 | 少額OK | 中 |
| 取引所ステーキング | 2.5〜3.5% | 報酬の20〜30% | 少額OK | 低 |
※利回りはネットワーク状況や市場環境によって変動します。
リキッドステーキングの具体的な始め方(Lido)
一番人気のあるLidoでのステーキング手順を解説します。
ステップ1:MetaMaskを準備
MetaMaskウォレットにステーキングしたい分のETHを入れておきます。ガス代(手数料)も必要ですので、少し余裕を持っておきましょう。
ステップ2:Lido公式サイトにアクセス
Lido Finance(stake.lido.fi)にアクセスし、MetaMaskを接続します。必ずURLが正しいことを確認してください。フィッシングサイトには十分注意が必要です。
ステップ3:ステーキングするETHの量を入力
ステーキングしたいETHの量を入力し、トランザクションを承認します。
ステップ4:stETHを受け取る
預けたETHと同等のstETH(Lidoのステーキング証明トークン)がMetaMaskに届きます。stETHは日々自動的に残高が増えていく(リベースする)仕組みです。
ステップ5:stETHを活用(オプション)
受け取ったstETHは、そのまま保有して報酬を受け取り続けてもいいですし、DeFiプロトコルで運用してさらに利回りを追求することもできます。ただしDeFi運用はスマートコントラクトリスクが増えるため注意が必要です。
ステーキングの注意点・リスク
スラッシングリスク
バリデーターが不正な行動をしたり、長時間オフラインになると、預けたETHの一部が没収される「スラッシング」が発生します。リキッドステーキングや取引所ステーキングの場合はサービス提供者がこのリスクを管理していますが、ゼロではありません。
スマートコントラクトリスク
リキッドステーキングはスマートコントラクトに資金を預けます。コントラクトにバグがあったり、ハッキングされると資金を失う可能性があります。
価格変動リスク
ステーキング中もETHの価格は変動します。年利4%の報酬を得ても、ETH自体の価格が20%下落したら円建てではマイナスになる可能性があります。
税金の問題
ステーキング報酬は取得時点で課税対象(雑所得)になります。年間の報酬額はしっかり記録しておきましょう。

リステーキングという新しい選択肢
最近注目を集めている「リステーキング」についても触れておきます。
リステーキングとは、ステーキング済みのETH(stETHなど)をさらに別のプロトコルに預けて、追加の報酬を得る仕組みです。EigenLayerが代表的なプロトコルとして知られています。
利回りを上乗せできる反面、リスクも重ねることになるため、仕組みをしっかり理解した上で利用することが大切です。
よくある質問(Q&A)
Q. ステーキングは初心者でもできますか?
A. 取引所ステーキングなら、ETHを取引所に預けるだけで始められます。MetaMaskなどの知識も不要なので、初心者でも問題ありません。
Q. ステーキングした資金はいつでも引き出せますか?
A. 取引所やリキッドステーキングの場合は比較的柔軟に引き出せます。ソロステーキングの場合は引き出しに時間がかかることがあります。
Q. ステーキング中にETHの価格が暴落したらどうなりますか?
A. ステーキング報酬は引き続き受け取れますが、ETH自体の価格が下がれば円建てでの資産は減少します。ステーキングは価格変動リスクをなくす仕組みではないことを理解しておきましょう。
Q. LidoとRocket Pool、どちらがおすすめですか?
A. Lidoは利用者が多くstETHの流動性が高い点が強みです。Rocket Poolはより分散化されており、イーサリアムの理念に沿ったプロトコルです。流動性を重視するならLido、分散性を重視するならRocket Poolがおすすめです。
まとめ
- イーサリアムのステーキングは年利3〜5%の利回りが期待できる
- 初心者は取引所ステーキングから始めるのが安心
- 慣れてきたらリキッドステーキング(Lido等)へのステップアップがおすすめ
- ソロステーキングは上級者向け(32ETH+技術知識が必要)
- リスクを理解した上で、自分に合った方法を選ぶことが大切
ETHを持っているなら、ステーキングは検討する価値のある選択肢です。無理にリスクの高い方法を選ぶ必要はありませんので、まずは少額から始めてみてください。

※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。


