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ビットコインに100万円を投資したらどうなる?シミュレーションの正しいやり方と落とし穴

ビットコイン

「もし過去にビットコインへ100万円入れていたら、今いくらになっていたんだろう」——一度は気になったことがある方も多いのではないでしょうか。SNSや動画では、こうした試算がインパクトのある数字とともに流れてきます。

ただし、最初にはっきりさせておきたいことがあります。過去の値動きを使った試算は「もし過去にこうしていたら」という後付けの計算であって、これから同じ結果になることを保証するものではありません。ビットコインには元本保証がなく、投資した100万円が数十万円になる可能性も現実にあります。

この記事では、増えた場合の試算だけでなく元本割れした場合の試算も同じ重さで併記し、そのうえで自分の手でシミュレーションを組み立てる手順を解説します。使う価格データは出典と時点を明記し、複数の情報源の数字を混ぜて計算することはしません。

投資判断はあくまで自己責任です。余剰資金の範囲で、最新の価格や制度は各公式サイト・金融庁・国税庁で必ずご確認ください。

ナビ助
ナビ助
「あの時買ってれば」の計算って気持ちいいんだよね。でも本当に大事なのは「外した時にいくら減るか」のほう。今回はそっちも同じ分量で見ていくよ。

シミュレーションでわかること・わからないこと

先に結論から整理します。過去データを使った試算でわかるのは、次の3つです。

  • ビットコインの価格が、どれくらいの幅で動いてきたか
  • 買うタイミングによって結果がどれだけ変わるか
  • 下落局面で、資産評価額がどこまで減り得るか

逆に、わからないことは1つだけですが決定的です。これから先の価格がどう動くかは、過去の試算からは一切わかりません。過去に上がった事実は、将来も上がる根拠にはならないためです。

したがってシミュレーションの正しい使い道は、「いくら増えるかを予測すること」ではなく、「自分が耐えられる下落幅を確認すること」にあります。ここを取り違えると、値下がりしたときに慌てて手放し、損失を確定させることになりがちです。

試算に使う価格データと出典

この記事の試算では、Coincheckが公開している「ビットコイン(BTC)は登場した初期から何倍に?」の一覧表に掲載された当時のBTC年間最高価格(円)を使用します。同じ表の中の数字だけで計算し、他の記事の数字と混ぜることはしません。

年 当時のBTC年間最高価格(円)
2017年 2,214,028円
2018年 2,073,659円
2019年 1,399,932円
2020年 2,974,393円
2021年 7,659,317円
2022年 5,504,013円
2023年 6,403,304円
2024年 16,348,141円
2025年 18,184,101円

出典:Coincheck「ビットコイン(BTC)は登場した初期から何倍に?ひと目で分かる一覧表」。数値は同社サイト掲載時点のものです。

注意

ここで使うのは「その年の最高価格」です。つまり買う側から見ればその年でいちばん不利なタイミング、売る側から見ればいちばん有利なタイミングにあたります。実際にその価格で売買できたとは限りません。試算はあくまで幅を把握するためのものとしてご覧ください。

【増えた場合】過去に100万円を投じていたら

各年の年間最高価格で100万円分のビットコインを購入し、2025年の年間最高価格(18,184,101円)で評価した場合の計算です。手数料・スプレッド・税金は含んでいません。

購入した年(その年の最高価格) 倍率 100万円の評価額
2017年(2,214,028円) 約8.2倍 約821万円
2018年(2,073,659円) 約8.8倍 約877万円
2019年(1,399,932円) 約13.0倍 約1,299万円
2020年(2,974,393円) 約6.1倍 約611万円
2021年(7,659,317円) 約2.4倍 約237万円
2022年(5,504,013円) 約3.3倍 約330万円
2023年(6,403,304円) 約2.8倍 約284万円
2024年(16,348,141円) 約1.1倍 約111万円

この表を見て「どの年に買っても増えている」と読み取るのは危険です。理由は2つあります。1つは、出口を2025年の年間最高価格という最も条件のよい1点に固定していること。もう1つは、途中でどれだけ大きな下落を経験したかがこの表には一切表れていないことです。

注意

上の表の評価額は、2025年の年間最高価格(18,184,101円)という一点で評価した場合の数字です。現在の資産額ではありません。

記事執筆時点の参考として、2026年8月25日のビットコイン/円の終値は12,500,152円でした(出典:みんかぶ 暗号資産)。この価格で同じ計算をやり直すと、評価額はいずれも表の約7割まで下がります。たとえば2024年の最高価格で買っていた場合、2025年の最高価格では約111万円ですが、2026年8月の価格では約76万円と元本割れになります。

同じ買い方でも、いつ評価するかだけで「増えた話」が「減った話」に変わる。これがシミュレーションの数字を鵜呑みにしてはいけない理由です。

ナビ助
ナビ助
この手の表って、だいたい「一番おいしい出口」で計算されてるんだ。ここから先が本題だよ。

【元本割れした場合】同じ100万円がどこまで減ったか

2021年に買って2022年に売っていたケース

2021年、ビットコインは年間最高価格7,659,317円を記録しました。ところが翌2022年は、米国の金融引き締め、大型ステーブルコインの崩壊、そして11月の大手取引所FTXの経営破綻が重なり、価格は大きく下落します。報道では、この局面でビットコインは一時200万円台まで下落したと伝えられました。

ここで、売却時の価格を250万円と仮定して計算してみます。

注意
  • 購入:2021年の年間最高価格 7,659,317円で100万円分
  • 売却:仮に250万円のときに全額売却
  • 評価額:100万円 × 250万 ÷ 765.9万 = 約32.6万円
  • 結果:約67万円の損失が確定

※売却価格は仮定値です。実際の約定価格は取引所・タイミングによって異なります。

1年ほどで資産が3分の1以下になる。これがビットコインで実際に起きた値動きの幅です。「増える可能性がある」と「減る可能性がある」は、同じ変動の裏表であり、片方だけを切り取ることはできません。

2024年に買って下落局面に入っていたケース

より最近の例で考えます。2024年の年間最高価格16,348,141円で100万円分を購入した場合、2026年8月時点のビットコインは1,200万円台で推移しているため、評価額は約76万円と、100万円を下回っている計算になります。高値圏で買えば、数年待っても含み損のままという状況は普通に起こります。

2021年の高値から2022年の底までのような下落は、ビットコインの歴史の中で一度きりの例外ではありません。過去にも同程度の下落が繰り返し発生しています。「今回は違う」と考える根拠はどこにもない、という前提で資金計画を立てるのが安全です。

一括投資と積立投資では結果が変わる

100万円を一度にまとめて投じるか、時間を分けて買うかでも、シミュレーションの結果は変わります。

方法 特徴 向いている場面 弱点
一括投資 買った価格がそのまま平均取得単価になる 相場が上昇に転じた直後 高値づかみの影響を丸ごと受ける
積立投資(ドルコスト平均法) 毎月一定額を購入し、取得単価を平準化する タイミングを判断したくない場合 上昇局面では一括より取得単価が高くなりやすい
分割購入 下落したタイミングで段階的に買い増す 相場を見る時間が取れる場合 判断を誤ると資金を使い切ってしまう

積立は「必ず有利になる方法」ではありません。取得単価を平準化する代わりに、価格が上がり続ける局面では一括投資に劣ります。積立の本当の価値は、下落局面で買い続けられる仕組みを作れることにあります。

手数料・スプレッド・税金でシミュレーションはズレる

販売所のスプレッド

取引所の「販売所」形式では、購入価格と売却価格に差(スプレッド)が設定されています。この差は実質的なコストであり、シミュレーションの計算からは抜け落ちがちです。同じ銘柄でも「取引所(板取引)」形式のほうがコストを抑えやすいケースが多くなります。

税金

記事執筆時点では、暗号資産の売却益は原則として雑所得として総合課税の対象になります。給与など他の所得と合算したうえで税率が決まるため、利益が大きいほど手取りは試算より少なくなります。給与所得のある会社員の方は、給与以外の所得の合計が年間20万円を超える場合に確定申告が必要になるのが原則です。

また現行の雑所得としての扱いでは、給与など他の区分の所得との損益通算も、損失を翌年以降へ繰り越す控除も認められていません。株式やFXとは前提が違う点に注意してください。

なお、暗号資産の譲渡益を申告分離課税(税率20.315%)とする方向で、金融商品取引法・資金決済法の改正法が2026年7月に成立しました。ただし適用開始は2028年1月からと見込まれており、記事執筆時点(2026年8月)の取引には従来どおり雑所得・総合課税が適用されます。「もう20%になった」という前提で手取りを計算すると、実際の税負担と大きくずれます。税率を前提にした手取り計算をする場合は、必ず国税庁の最新情報を確認してください。

ナビ助
ナビ助
ネットの試算って、だいたい手数料も税金も入ってないんだ。実際の手取りはもっと少なくなる、って覚えておこう。

自分でシミュレーションする手順

ステップ1:価格データの出典を1つに決める

CoinMarketCapやCoinGecko、あるいは国内取引所が公開しているチャートなど、参照する情報源を1つに固定します。複数の情報源の数字を混ぜると、そのシミュレーションは根拠を失います。取得した日付もメモしておきましょう。

ステップ2:入口と出口を明記する

「いつの、いくらで買って」「いつの、いくらで売る想定か」を必ず書き出します。ここを曖昧にしたまま倍率だけ出すのが、最もありがちな失敗です。

ステップ3:下落シナリオを必ず作る

上昇シナリオと同じ数だけ、下落シナリオを作ります。目安として、購入価格から50%、70%下落した場合の評価額を計算してみてください。過去に実際に起きた下落幅を踏まえると、この程度は想定の範囲内です。

ステップ4:手数料と税金を差し引く

スプレッド、送金手数料、そして利益が出た場合の税負担を反映します。ここまで計算して初めて、実際に手元に残る金額のイメージが持てます。

ステップ5:耐えられるかを自分に問う

作った下落シナリオを見て、「この評価額を1年間見続けられるか」を考えます。耐えられないと感じたら、投じる金額そのものを減らすのが正しい対応です。

よくある質問(Q&Aコーナー)

Q. 100万円は投資額として多いですか、少ないですか?

A. 金額の絶対値では判断できません。判断基準は「その100万円がなくなっても生活と将来設計に影響がないか」です。生活費や近く使う予定のあるお金を充てるのは避けてください。

Q. 過去に10倍になった実績があるなら、これからも期待できますか?

A. 期待できるとは言えません。過去の値動きは将来の値動きを説明する根拠にはならず、市場環境も規制も当時とは異なります。実績を根拠に将来を断定する情報には注意してください。

Q. 積立と一括、どちらが正解ですか?

A. どちらにも一長一短があり、事前に正解を決めることはできません。相場の判断に時間を割きたくない方は積立、下落時に買い増す判断ができる方は分割購入が向く傾向があります。

Q. シミュレーションツールは使えますか?

A. 取引所やメディアが公開している積立シミュレーターは、過去の値動きを機械的に当てはめる作りになっています。使うこと自体は問題ありませんが、出てくる数字はあくまで過去の再現であり、将来の予測ではない点を必ず意識してください。

Q. 含み損になったらどうすればいいですか?

A. 一律の正解はありませんが、慌てて判断しないための準備は事前にできます。購入前に「どこまで下がったら売るか」「下がっても保有し続けるか」を決めておくと、感情に流された判断を減らせます。

Q. 少額から試すことはできますか?

A. 国内取引所の多くは数百円〜1,000円程度から購入できます。いきなり100万円を動かすのではなく、まず少額で購入・保管・売却の一連の流れを体験することをおすすめします。

Q. レバレッジ取引なら効率よく増やせますか?

A. レバレッジは損失も同じ倍率で拡大します。証拠金を上回る損失が発生する可能性もあり、初心者の方が最初に選ぶ手段としては適しません。

まとめ:試算は「増える額」ではなく「減る額」を見るために使う

ポイント
  • 過去データの試算は後付けの計算であり、将来の利益を保証しない
  • 2021年の高値で買い、2022年の下落局面で売っていれば100万円は約33万円(仮定値による試算)
  • 同じ買い方でも、いつ評価するかで結果は変わる(2024年高値で購入した場合、2025年高値での評価は約111万円、2026年8月の価格では約76万円)
  • 高値圏での購入は、数年経っても含み損のままという状況が起こり得る
  • 手数料・スプレッド・税金を引くと、手取りは試算よりさらに少なくなる
  • シミュレーションは下落シナリオとセットで作ることが前提

ビットコインに100万円を投じるという判断は、増えた場合の絵だけを見て決めるものではありません。冒頭でお伝えしたとおり、過去の値動きを使った試算は「もし過去にこうしていたら」という後付けの計算であり、これから同じ結果になることは誰にも保証できません。実際に、1年ほどで資産が3分の1以下になった局面が過去にありました。

だからこそ、シミュレーションは「最悪の場合いくら減るか」を確認するための道具として使ってください。そのうえで、減っても生活が揺らがない金額に収める。この順番を守ることが、暗号資産と長く付き合うための現実的な方法です。

暗号資産の取引は価格変動リスクを伴い、元本は保証されません。投資は必ず余剰資金の範囲で行い、最新の価格・制度は各取引所の公式サイトや金融庁・国税庁でご確認のうえ、自己責任でご判断ください。

参考:Coincheck ビットコインは登場した初期から何倍に?|みんかぶ 暗号資産 ビットコイン/円チャート|金融庁 暗号資産(仮想通貨)関係|国税庁 暗号資産を売却又は使用することにより生じる利益

ナビ助
ナビ助
「100万円がいくらになる?」じゃなくて「100万円がいくらまで減っても平気か?」。この問いに答えられたら、もう十分に準備できてるよ。

※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。本記事は特定の暗号資産の購入を推奨するものではなく、将来の価格や利益を保証するものでもありません。

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