「ビットコインを受け取りたいけれど、自分のアドレスってどこを見ればいいの?」「相手から送られてきたアドレスが『1』で始まるものと『bc1』で始まるもので違うけど大丈夫?」——ビットコインを初めて送受金するときに、多くの方がつまずくポイントです。
ビットコインアドレスは、送金を受け取るための宛先にあたる文字列です。銀行口座番号に近いものと説明されることが多いのですが、実際には受け取りのたびに新しいアドレスを発行できるなど、口座番号とは異なる性質を持っています。
この記事では、取引所やウォレットごとのアドレス確認手順、「1」「3」「bc1」といった形式の違い、そして確認を怠ると資産を失いかねない具体的な落とし穴までまとめて解説します。送金は一度実行すると取り消せないため、手順を先に押さえておきましょう。

ビットコインアドレスとは
受け取り専用の文字列
ビットコインアドレスは、秘密鍵から導き出された公開鍵をもとに生成される文字列です。26〜62文字程度の英数字で構成され、これを相手に伝えることでビットコインを受け取れます。
重要なのは、アドレスを他人に教えても資産が奪われることはないという点です。資産を動かせるのは秘密鍵を持っている人だけであり、アドレスは公開情報として扱って問題ありません。一方で、秘密鍵やシードフレーズ(復元フレーズ)は絶対に他人に見せてはいけません。
アドレスは1つとは限らない
現在の多くのウォレットは「HDウォレット」と呼ばれる方式を採用しており、1つのシードフレーズから無数のアドレスを生成できます。そのため受け取りのたびに新しいアドレスが表示されることがあります。これは不具合ではなく、プライバシー保護のための正常な動作です。
過去に使ったアドレスも引き続き有効で、そこに送られたビットコインも同じウォレットで受け取れます。「アドレスが変わったから前のアドレスは使えない」という心配は不要です。
アドレスの種類と見分け方
ビットコインアドレスは先頭の文字で形式を判別できます。形式によって手数料の効率や対応状況が異なります。
| 先頭 | 名称 | 特徴 | 手数料の傾向 |
|---|---|---|---|
| 1 | Legacy(P2PKH) | 最初期から使われている形式。対応範囲が最も広い | 取引サイズが大きく割高になりやすい |
| 3 | P2SH(P2SH-SegWit等) | マルチシグやSegWit互換に使われる形式 | Legacyより抑えられる |
| bc1q | ネイティブSegWit(bech32) | SegWitの効率を最大限活かせる形式 | 抑えやすい |
| bc1p | Taproot(bech32m) | より新しい形式。プライバシーと柔軟性を高める設計 | 抑えやすい |
現在すすめやすいのは、bc1で始まるSegWit系のアドレスです。取引データのサイズが小さくなるぶん、送金手数料を抑えやすくなります。ただし古いサービスの中にはbc1形式に対応していないものがあり、その場合は「1」や「3」で始まるアドレスを使う必要があります。
bech32形式(bc1〜)は、小文字表記が基本です。また、他の暗号資産のアドレスとビットコインのアドレスは互換性がありません。ビットコインを、イーサリアムのアドレス(0xで始まる)などに送るとまず取り戻せません。ネットワーク(チェーン)とアドレス形式の両方を必ず確認してください。
【取引所編】自分のビットコインアドレスを確認する手順
基本の流れはどこも共通
国内取引所でビットコインを受け取る場合、手順はおおむね次のとおりです。
- 取引所にログインする(二段階認証を有効にしておく)
- 「入金」または「暗号資産の受取」メニューを開く
- 通貨の一覧から「ビットコイン(BTC)」を選ぶ
- 表示された受取用アドレス、またはQRコードを確認する
取引所によっては、初回のみアドレス生成ボタンを押す必要があります。また、受取アドレスが使い捨て方式になっている取引所もあり、その場合は送金のたびに最新のアドレスを取得し直す必要があります。以前のアドレスを使い回すと入金が反映されない場合があるため、必ず入金画面で毎回確認してください。
ラベル・タグの有無を確認する
ビットコインの送受金では通常、宛先タグやメモは不要です。ただしサービスによっては入金確認のために独自の識別情報を求める場合があります。画面に追加入力欄が表示されているときは、必ずその指示に従ってください。
【ウォレット編】アドレスを確認する手順
ソフトウェアウォレット
スマホやPCにインストールするタイプのウォレットでは、「受取」「Receive」ボタンを押すとアドレスとQRコードが表示されます。多くのウォレットでは設定画面からアドレス形式(Legacy/SegWit/Taproot)を選べるようになっています。
ハードウェアウォレット
ハードウェアウォレットを使う場合は、PCやスマホの画面に表示されたアドレスと、端末本体の画面に表示されたアドレスが一致しているかを必ず目視で確認してください。これはマルウェアによる表示の書き換えを防ぐための、最も重要な確認手順です。

アドレスの残高・取引履歴を確認する方法
ビットコインの取引記録はすべてブロックチェーン上に公開されています。ブロックチェーンエクスプローラと呼ばれる検索サービスにアドレスを入力すると、次の情報を誰でも確認できます。
- そのアドレスの現在の残高
- 入出金の履歴と日時
- 各取引の承認数(コンファメーション)
- 支払われた手数料
送金したのに相手に届かないときは、まずエクスプローラでトランザクションID(TxID)を検索し、承認数を確認します。ネットワークに取引が記録されていれば送金自体は完了しており、あとは承認が進むのを待つ状況だと判断できます。
ブロックチェーンは公開台帳のため、アドレスと本人が結びつくと、そのアドレスの取引履歴と残高が第三者に見られる状態になります。プライバシーを重視するなら、同じアドレスを何度も使い回さず、受け取りごとに新しいアドレスを使うのが基本です。
アドレス確認でやりがちな失敗
1. クリップボードの書き換え
コピーしたアドレスを、マルウェアが攻撃者のアドレスに書き換える手口が報告されています。対策はシンプルで、貼り付けた後に先頭4〜6文字と末尾4〜6文字を目視で照合することです。QRコードの読み取りを使う方法も有効です。
2. 手入力による打ち間違い
アドレスは長い英数字の羅列です。手入力は避け、コピー&ペーストかQRコードを使ってください。なお、ビットコインアドレスにはチェックサムが組み込まれているため、多くの誤入力はウォレット側でエラーとして弾かれます。ただし、これは安全を保証する仕組みではなく、正しい形式の別人のアドレスに送ってしまえば取り戻せません。
3. 別の通貨・別のネットワークへ送る
取引所によっては、同じ名前の通貨でも複数のネットワークに対応しています。ビットコインを送る際は、選択しているネットワークがビットコインのメインネットであることを確認してください。
4. 少額のテスト送金を省略する
初めて送る相手や、久しぶりに使うアドレスの場合は、まず少額を送って着金を確認してから残りを送る方法が確実です。手数料は余分にかかりますが、資産全体を失うリスクと比べれば十分に安いコストです。
よくある質問(Q&Aコーナー)
Q. ビットコインアドレスを他人に教えても大丈夫ですか?
A. 受け取り用のアドレス自体を教えることに問題はありません。ただし、そのアドレスの残高と取引履歴は誰でも閲覧できる状態になります。プライバシーが気になる場合は、用途ごとにアドレスを使い分けてください。
Q. 受取アドレスが毎回変わるのはなぜですか?
A. HDウォレットの仕組みにより、プライバシー保護の観点から新しいアドレスが生成されるためです。過去のアドレスも有効なままなので、そこに届いた分も問題なく受け取れます。
Q. 「1」で始まるアドレスから「bc1」で始まるアドレスへ送れますか?
A. 送れます。形式が違っても同じビットコインネットワーク上のアドレスであれば送受金は可能です。ただし、送金元のサービスがbc1形式に対応していない場合は入力できないことがあります。
Q. アドレスを間違えて送ってしまいました。取り消せますか?
A. ブロックチェーンに記録された取引は取り消せません。送金先が誰かのウォレットであれば、その相手に返還を依頼する以外の方法はないのが実情です。だからこそ送金前の確認が重要になります。
Q. 取引所のアドレスとウォレットのアドレス、どちらで受け取るべきですか?
A. 用途によります。すぐ売買する予定なら取引所、長期保有なら自分で秘密鍵を管理するウォレットが選ばれる傾向があります。取引所に預けたままだと、取引所側のトラブルの影響を受ける可能性がある点は理解しておきましょう。
Q. アドレスの文字数が短い・長いのは異常ですか?
A. 形式によって長さは異なります。Legacyやbech32、Taprootでそれぞれ文字数が違うため、長さだけで正誤は判断できません。ウォレットが受け付けるかどうかで確認してください。
Q. QRコードなら安全ですか?
A. 手入力やコピーミスは防げますが、そもそも表示されているQRコード自体が偽物である可能性は残ります。読み取った後に表示されるアドレス文字列を、相手から共有された文字列と照合するのが確実です。
まとめ:確認は「入金画面から取得」と「目視照合」の2つが基本
- アドレスは受け取り用の公開情報。秘密鍵とシードフレーズは絶対に共有しない
- 先頭が「1」「3」「bc1q」「bc1p」で形式を判別できる
- 取引所では入金メニューから毎回最新のアドレスを取得する
- 貼り付け後は先頭と末尾の文字を必ず目視で照合する
- 初めての送金先には少額のテスト送金を挟む
ビットコインアドレスの確認そのものは、慣れてしまえば数十秒で終わる作業です。それでも手順として固定しておく価値があるのは、送金が取り消せない仕組みだからにほかなりません。
取引所の入金画面から最新のアドレスを取得し、貼り付けた文字列を目視で照合する。この2つを毎回行うだけで、この分野でよくあるトラブルの大半は避けられます。暗号資産の取引は価格変動リスクを伴い、元本は保証されません。取引は余剰資金の範囲で行い、最新の情報は各取引所の公式サイトや金融庁でご確認のうえ、自己責任でご判断ください。
参考:Bitcoin.org 公式サイト|金融庁 暗号資産(仮想通貨)関係|日本暗号資産等取引業協会

※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。暗号資産の取引は価格変動リスクを伴い、元本は保証されません。


