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スイ(SUI)の将来性は?特徴・仕組み・注意点をまとめて解説

銘柄分析・アルトコイン

「スイってソラナやアプトスと何が違うの?」「体験としては速いらしいけど、仕組みがよく分からない」——スイ(Sui/SUI)は、レイヤー1ブロックチェーンのなかでも設計思想がかなり独特な部類に入ります。名前は知っていても、どこが他と違うのかまで説明できる方は多くありません。

この記事では、スイのオブジェクト中心という考え方と、そこから生まれる速さの理由、エコシステムの現在地、そして見落としがちなリスクまでを整理します。値上がりを予想する内容ではなく、判断のための材料をそろえることが目的です。

暗号資産は価格変動が大きく、投資した資金を大きく減らす可能性があります。必ず余剰資金の範囲で、自己責任のうえでご検討ください。

ナビ助
ナビ助
スイの面白いところは「速くする工夫」じゃなくて「そもそもデータの持ち方が違う」ってところなんだ。ここが分かると全体がスッと理解できるよ。

スイ(SUI)とは

スイは、Mysten Labsという開発企業が手がけるレイヤー1ブロックチェーンです。アプトスと同じく、Meta(旧Facebook)のブロックチェーン構想「Diem」に関わっていたメンバーが立ち上げたプロジェクトで、スマートコントラクトの記述にはMove言語を採用しています。

ただし、同じMove言語を使いながら、データの管理方法はアプトスとまったく異なる設計になっています。ここがスイを理解するうえで一番の要点です。

SUIトークンの役割

  • ガス代(手数料):ネットワーク上の処理を実行するときに支払う
  • ステーキング:バリデータに委任してネットワークの安全性に貢献し、報酬を受け取る
  • ガバナンス:ネットワークの方針決定に関する投票
  • ストレージ関連の支払い:チェーン上にデータを保存する際のコストに充てられる仕組みがある

スイ最大の特徴「オブジェクト中心モデル」

多くのブロックチェーンは、口座に残高が記録される「アカウント方式」を採ります。銀行の通帳と同じで、AさんとBさんの残高がそれぞれ数値として管理されるイメージです。

スイはこれとは違い、コインもNFTもコントラクト上のデータも、すべて固有のIDを持った「オブジェクト」として扱います。1つ1つが独立した持ち物であり、それぞれに所有者と型が設定されています。

なぜこの方式だと速いのか

オブジェクトには大きく2種類があります。

  • 所有オブジェクト:特定の1人だけが持っているもの(自分のコイン、自分のNFTなど)
  • 共有オブジェクト:みんなが同時に触るもの(DEXの流動性プールなど)

ここがポイントで、自分だけが持っているオブジェクトを動かす取引は、他の誰の取引とも衝突しません。誰とも競合しないのだから、ネットワーク全体で順番を決める必要がない——スイはこの考え方に基づき、単純な送金やNFTのミントといった処理を、フルの合意形成を通さない「高速パス」で処理します。

一方、DEXのプールのように全員が同じ対象を取り合う取引は、順番を厳密に決めなければ整合性が保てません。こちらは後述する合意形成の仕組みを通ります。

ポイント

すべての取引を同じ列に並ばせるのではなく、「並ぶ必要のある取引」と「並ばなくていい取引」を最初から分ける。これがスイの設計思想です。

ナビ助
ナビ助
郵便局の窓口を想像してみて。「切手を買うだけの人」と「複雑な手続きが必要な人」を同じ列に並ばせたら全体が遅くなるよね。スイは最初から列を分けてるんだ。

Mysticeti:共有オブジェクト向けの合意形成

共有オブジェクトを扱う取引の順序を決めるために、スイはMysticeti(ミスティセティ)という合意形成の仕組みを使っています。これはDAG(有向非巡回グラフ)をベースにしたビザンチン障害耐性のあるプロトコルで、以前使われていたNarwhal-Bullsharkの流れを汲みつつ、遅延の削減を狙って設計されたものです。

スイ公式は、この仕組みによって低遅延のファイナリティ(取引が確定して覆らなくなること)を実現していると説明しています。詳細は公式ページで公開されています。

参考:Sui 公式 – Mysticeti

使いやすさを狙った独自機能

zkLogin

スイにはzkLoginという仕組みがあります。GoogleやAppleなど普段使っているアカウントでログインするだけで、ブロックチェーン上のアドレスを扱えるようにするというものです。

暗号資産を始めるときの最初の壁は、たいていリカバリーフレーズの管理です。zkLoginはこの負担を下げる狙いを持っています。ただし、SNSアカウント側が乗っ取られた場合のリスクなど、従来とは種類の異なる注意点も生まれます。仕組みを理解しないまま多額の資産を置くのは避けたほうが安全です。

Walrus

Mysten Labsは、大きなファイルを分散して保存するためのストレージ層Walrusも開発しています。ゲームやメディア系のアプリのように、画像や動画といった重いデータを扱う用途を想定した取り組みです。

エコシステムの現在地と、正直な課題

スイ上にはDEX、レンディング、ステーキング関連、ゲーム、決済系など多様なアプリが展開されており、ステーブルコインの流通も進んでいます。開発の勢いという点では、比較的活発なチェーンといえます。

ただし、良い面だけを見るのは危険です。スイのエコシステムでは、チェーン上のDeFiプロトコルが攻撃を受けて資産が流出する事例が複数発生しています。過去にはスイ上で最大級のDEXが大きな被害を受け、その後も別のプロトコルで被害が確認されています。

これはスイに限った話ではなく、あらゆるチェーンのDeFiに共通するリスクです。とはいえ、チェーン本体の安全性と、その上で動くアプリの安全性はまったく別物だという事実は、必ず押さえておいてください。「高速で安全な設計のチェーンだから、そこにあるアプリも安全」ということにはなりません。

注意

利回りの高さだけでDeFiプロトコルを選ぶのは危険です。監査の有無、運用実績、預けられている資金の規模などを確認し、失っても生活に影響しない金額にとどめてください。

国内の取引所で買えるのか

日本国内では、金融庁への登録を受けた複数の暗号資産交換業者がSUIを取り扱っています。GMOコインは国内7例目としてSUIの取扱いを開始しており、ほかにBitTrade、Binance Japanなどでも日本円から購入が可能です(記事執筆時点)。

ただし、取扱銘柄は追加も終了もあり得ます。実際に国内では、事業そのものを終了した交換業者の例もありました。口座開設の前に、必ず各社の公式サイトで最新の取扱状況をご確認ください。

注意

日本国内で暗号資産の売買を業として行うには、金融庁への登録が必要です。無登録の海外業者との取引は、トラブルが起きても救済が難しくなります。詳しくは金融庁「無登録業者との取引は要注意!!」をご覧ください。

将来性を判断するための材料

1. 実際に使われているか

チェーン上に預けられている資金量(TVL)、アクティブなアドレス数、ステーブルコインの送金量などは公開データで追えます。数字は増えるだけでなく減ることもあります。スイのTVLも大きく変動してきました。良い時期の数値だけを見て判断しないことが大切です。

2. トークンの供給スケジュール

SUIには段階的にロックが解除されるスケジュールが設定されており、時間の経過とともに流通量が増えていく構造になっています。需要が同じペースで伸びなければ、供給増は価格の重しになり得ます。

3. 競合との関係

高速処理を掲げるレイヤー1は多数あります。イーサリアムとそのレイヤー2、ソラナ、アプトスなど、資金と開発者の奪い合いが続く分野です。技術的な優位が、そのままシェアの獲得につながるとは限りません。

4. 規制環境

日本では暗号資産に関する制度の見直しが進んでおり、2026年7月に金融商品取引法・資金決済法の改正法が成立しました。暗号資産の課税方式を申告分離課税へ移行させる方針が示されていますが、施行日は政令で定められるため、適用開始は2028年1月1日以降になると見込まれている段階です。現時点では、後述するとおり従来どおりの取り扱いが続いています。税制やルールの変更は国内の投資家に直接影響します。

税金の扱い

暗号資産の売却・交換・決済利用によって利益が出た場合、国税庁の説明では、事業所得等に該当する場合を除き原則として「雑所得」に区分されるとされています。給与など他の所得と合算する総合課税の対象です。

株式やFXとは扱いが異なる点として、現時点では、損失が出ても他の所得と損益通算したり、翌年以降へ繰り越したりすることはできません。また、日本円に換えたときだけでなく、暗号資産どうしを交換したときも損益の計算対象になります。SUIを他の銘柄に交換した場合も対象になり得ますので、取引履歴は必ず保存しておいてください。

税率や申告の要否は個々の所得状況によって異なるため、ここで断定はできません。詳細は国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱い及び計算書について」をご確認いただくか、税務署や税理士にご相談ください。

よくある質問

Q. スイとアプトスはどちらが優れていますか?

A. どちらが上、という単純な比較はできません。両者ともMove言語を採用していますが、アプトスは取引をまとめて並列実行し衝突を後から検査する方式、スイはデータをオブジェクト単位に分け、競合しない取引を合意形成から外す方式です。得意な処理の傾向が異なるため、用途によって向き不向きが変わります。

Q. zkLoginを使えばリカバリーフレーズは不要になりますか?

A. 従来型のフレーズ管理の負担を減らす仕組みですが、リスクがなくなるわけではありません。連携しているアカウント側の安全性がそのまま資産の安全性に関わってきます。連携先アカウントの二段階認証は必ず設定してください。

Q. ステーキングをすれば安定して増やせますか?

A. 報酬は変動し、預けている間もSUI自体の価格変動リスクを負い続けます。日本円換算では、報酬を受け取っても値下がりによって元本を下回ることがあり得ます。「安定した収入」と考えるのは適切ではありません。また、預け入れや解除に待機期間が設けられている場合があります。

Q. 少額から購入できますか?

A. 国内の取引所では少額から購入できるところが一般的です。最小注文数量や単位は取引所によって異なるため、各社の公式ページでご確認ください。初めての銘柄はまず小さく試し、入出金や送付の操作に慣れてから金額を検討するのが無難です。

Q. 販売所と取引所、どちらで買うべきですか?

A. 販売所は操作が簡単な代わりに売値と買値の差(スプレッド)が広くなりやすく、取引所形式は板を見て注文する分コストを抑えやすい傾向があります。同じ金額でも購入方法によって受け取れる数量が変わるため、慣れてきたら取引所形式も検討してみてください。

Q. 買ったあとは取引所に置いたままで大丈夫ですか?

A. 国内の登録業者は利用者の資産を自社資産と分別して管理することが法令で求められており、金銭は信託、暗号資産はコールドウォレット等での管理が定められています。ただし、これは業者の破綻リスクをゼロにするものではありません。少なくとも二段階認証の設定と、ログイン情報の使い回しを避けることは必ず行ってください。

まとめ

ポイント
  • スイはすべてを「オブジェクト」として扱う独自設計のレイヤー1
  • 競合しない取引はフルの合意形成を通さないため、体感が速くなりやすい
  • 共有オブジェクトを扱う取引はMysticetiによって順序が決まる
  • zkLoginやWalrusなど、使いやすさと用途拡大を狙った機能を持つ
  • チェーン上のDeFiでは資産流出の事例が発生しており、アプリ側のリスクは別物として考える必要がある
  • 国内では登録を受けた複数の交換業者が取り扱っている(記事執筆時点)

スイは設計として面白い挑戦をしているチェーンですが、設計の良さと、価格や普及の行方は別の軸で動きます。技術の理解は判断の土台であって、結論そのものではありません。数字と事実を自分で確かめる習慣が、結果的に一番の安全策になります。

ナビ助
ナビ助
新しいチェーンほど期待も不安も大きいよね。だからこそ、余剰資金で、失っても困らない金額から。これだけは何度でも言っておきたいんだ。

※投資は自己責任です。必ず余剰資金の範囲で行い、最新の情報は各取引所の公式サイトおよび金融庁・国税庁の公表資料でご確認ください。

※記事執筆時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。

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