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仮想通貨インフルエンサーは信用していい?見極め方と注意したいポイント

規制・市場ニュース

SNSを開けば、仮想通貨について発信している人が大勢います。わかりやすく解説してくれる方もいれば、フォロワー数と実績の派手さで注目を集めている方もいます。「この人の言うとおりに買えばいいのだろうか」と迷った経験はありませんか。

結論から言うと、発信を参考にするのは構いませんが、売買の判断を他人に預けるのは危険です。そして、SNS上の投資の話には、そもそも法令に触れるおそれのあるものが少なくありません。

この記事では、特定の人物を批判するのではなく、手口の型と、自分でチェックできる項目に絞って解説します。読み終えたときに「この投稿は大丈夫か」を自分で判断できるようになることが目標です。

ナビ助
ナビ助
発信者が良い人か悪い人かを当てるのは無理なんだ。だから「人」じゃなくて「言い方」と「手続き」を見るんだよ。これなら初心者でもできる。

SNS経由の投資被害は高い水準で続いている

まず現状を数字で押さえておきましょう。警察庁が公表した令和7年の統計(確定値)によると、SNS型投資詐欺の認知件数は9,523件、被害額は1,288.0億円にのぼりました。

注目したいのは、被害者が最初に接触したきっかけです。同じ統計では、バナー等の広告が3,785件、ダイレクトメッセージが3,549件と報告されており、この2つで大部分を占めています。つまり、広告とDMという「向こうから来る」経路が主戦場になっているということです。

また、被害金の受け渡しに暗号資産が使われるケースも報告されています。暗号資産送信型として集計された件数は2,177件、被害額は247.7億円でした。

注意

著名人の写真や名前を無断で使った広告が、SNS上で大量に出回っています。「有名な人が推薦しているから安心」という判断は成り立ちません。広告に写っている人物が、その広告の存在すら知らないケースが数多く報告されています。

法令上、どこからが問題になるのか

「SNSで投資を勧めること自体が違法なのか」という疑問を持つ方は多いはずです。線引きを整理しておきましょう。

1. 無登録での暗号資産交換業は資金決済法違反

日本国内で暗号資産の売買や交換、その媒介などを業として行うには、資金決済法に基づく暗号資産交換業の登録が必要です。無登録の業者が国内の利用者に対して営業を行うことは、法令違反にあたります。金融庁は、警告書を出した無登録業者の名称を公表しており、無登録の取引所を宣伝するSNSアカウントに対しても注意喚起を行っています。

ここで押さえておきたいのは、金融庁が「リストに掲載されていない業者でも無登録営業を行っている可能性がある」と注意を促している点です。リストになければ安全、という読み方はできません。確認すべきなのは、登録業者の一覧に載っているかどうかです。

2. 出資を募って運用する話は金融商品取引法の対象になりうる

「資金を預けてくれれば運用して増やします」という形は、集団投資スキームなどにあたり、金融商品取引法上の登録や届出が必要になる場合があります。また、暗号資産のデリバティブ取引を業として勧誘する行為も、同法に基づく登録が必要です。無登録でこうした勧誘を行うことは、法令違反にあたるおそれがあります。

あわせて押さえておきたいのが、投資助言・代理業の登録です。有価証券や暗号資産のデリバティブ取引について、報酬を受け取って売買の助言をすることを業として行う場合、同法にもとづく登録が必要になります。有料で「この銘柄を買え」と指示を出しているのに登録がない、という形は、それ自体が問題を含みます。

ただし、暗号資産の現物そのものについての一般的な情報発信までが同法の助言業に当たるわけではありません。つまり「違法かどうか」だけで安全性は測れないということです。だからこそ、次に挙げるチェック項目を自分で当てはめる作業が必要になります。

3. 広告なのに広告と分からない表示はステルスマーケティング規制の対象

消費者庁は、令和5年10月1日から、事業者の広告であるにもかかわらず一般消費者がそれを広告だと判別できない表示を景品表示法違反として規制しています。対象はSNSの投稿やレビューにとどまらず、テレビ・新聞・雑誌などの表示も含まれます。企業から報酬を受け取って商品やサービスを紹介しているのに、その事実を伏せて個人の感想のように見せる投稿は、この規制に関わってきます。

4. 嘘の情報で金銭をだまし取れば詐欺罪

存在しない運用実績を示す、架空の取引所へ入金させるといった行為は、刑法上の詐欺にあたります。どれだけ丁寧な言葉づかいでも、内容が虚偽なら犯罪です。

ナビ助
ナビ助
法律の細かい線引きを覚える必要はないよ。「お金を預けて」「登録してない業者を勧める」「広告なのに隠す」。この3つが出てきたら距離を取る、で十分なんだ。

危険信号のチェックリスト

投稿や発信者を見るときの具体的なチェック項目です。当てはまる数が多いほど、距離を取ったほうがよいと考えてください。

チェック項目 なぜ危ないのか
利益が出ると言い切っている 将来の価格を断言できる立場の人は存在しない
元本が保証されると説明している 暗号資産に元本保証の仕組みはない
DMで個別に投資を持ちかけてくる 被害の主要な入口として統計にも表れている
期限を切って急がせる 考える時間を奪うのが目的
国内で登録されていない取引所へ誘導する トラブル時に国内の制度による保護を受けられない可能性がある
損失の話を一切しない 都合の良い結果だけを見せている
スクリーンショットしか根拠がない 画像は編集で作成できる
グループやサロンへの誘導が最終目的 情報提供ではなく集客が本来の目的である場合がある
紹介制度で報酬が発生する構造 紹介者の利益と読者の利益が一致しない
批判的な意見をブロック・削除する 検証を許さない姿勢は、内容に自信がないことの裏返しでもある

とりわけ「DMで来る」「急がせる」「元本が保証されると口にする」の3つが揃った場合は、その場でやり取りを止めてください。

逆に、参考にしやすい発信の特徴

もちろん、誠実に情報を届けている発信者もいます。次のような特徴があれば、情報源として使いやすいでしょう。

ポイント
  • 出典を示している:公式発表や公的機関のページにリンクしている
  • 損失の話もする:うまくいかなかった判断を自分から共有している
  • 広告であることを明示している:PR表記を省略していない
  • 結論を押し付けない:「自分で確認してください」と繰り返す
  • 個別の投資判断に踏み込まない:「買うべき」ではなく「こういう仕組みです」と説明する
  • 過去の発信を消していない:外れた予想を残しているかは、誠実さの目安になる

それでも判断がつかないときの手順

グレーに見える発信に出会ったとき、次の順番で確認すれば、たいていは白黒がつきます。

手順 確認内容
1 紹介されている取引所・サービスが、金融庁の登録業者一覧にあるか調べる
2 金融庁が公表している無登録業者の情報に、同じ名前がないか確認する
3 サービス名で検索し、公的機関や報道による注意喚起が出ていないか調べる
4 運営会社の所在地・連絡先が公開されているか確認する
5 それでも迷うなら、入金せずに公的窓口へ相談する

この5手順にかかる時間は、長くても30分ほどです。30分を惜しんで数十万円を失うのは、割に合わない取引と言えるでしょう。

ナビ助
ナビ助
「急いで」って言われた時点で、それはもう答えが出てるようなものなんだ。本当にまともな話なら、明日でも来週でも成立するからね。

フォローする側が持っておきたい姿勢

1. 発信者の損得を想像する

その人がその投稿をすることで、何を得るのか。紹介報酬なのか、サロンへの集客なのか、自分の保有銘柄の価格上昇なのか。利益相反の可能性を頭に置いて読むだけで、受け取り方が変わります。悪意がなくても、立場が判断を歪めることはあります。

2. 実績は検証できない前提で見る

SNS上の運用実績は、第三者による検証を経ていません。都合の良い期間だけを切り出すことも、負けた記録を消すこともできます。実績の数字は、参考情報以上のものにはならないと考えてください。

3. 発信者を複数持つ

一人の意見だけを追い続けると、その人の相場観がそのまま自分の相場観になってしまいます。立場の違う発信者を複数フォローし、意見が割れる場面を意識的に見に行きましょう。

4. 最終判断は自分で下す

誰かの推奨で買った銘柄が下がっても、損失を負うのは自分です。逆に言えば、判断が自分のものであれば、外れたときに学びが残ります。他人の判断に乗った失敗からは、あまり多くを学べません。

「実績がすごい人」ほど慎重に見る理由

SNSで目立つのは、大きく増やした報告です。これは仕組み上どうしても起きる偏りで、生存者バイアスと呼ばれます。同じ手法で失敗した人は発信をやめてしまうため、タイムラインには成功した人だけが残ります。

つまり、目に入ってくる情報は、最初から成功例だけが濾し取られた状態だということです。これは発信者の誠実さとは関係なく起こります。100人が同じ手法を試して1人だけ大きく増えた場合でも、タイムラインにはその1人の報告だけが流れます。

さらに、値動きの大きい相場では、無理な取引をした人ほど短期的に大きな数字を出しやすいという性質があります。派手な実績が、そのまま再現性のある手法を意味するわけではありません。

見えているもの 見えていないもの
大きく増えた報告 同じ手法で減らした人の数
当たった予想 外れて削除された予想
現在のフォロワー数 その集め方
紹介されている取引所 紹介による報酬の有無

この表の右側を意識するだけで、受け取り方はかなり変わります。発信そのものを否定する必要はありません。ただ、見えていない部分があると知ったうえで読むことが大切です。

相談できる窓口

ポイント
  • 消費者ホットライン 188:最寄りの消費生活センターにつながる。契約や返金のトラブル全般
  • 警察相談専用電話 #9110:詐欺の疑いがある段階でも相談できる
  • 金融庁 金融サービス利用者相談室:0570-016811(IP電話は03-5251-6811)/平日10時〜17時
  • 取引所のサポート窓口:不審な送金があった場合はまず連絡する

被害に遭った後、「取り返します」と近づいてくる相手がいますが、これは二次被害の典型的な手口です。応じないでください。

よくある質問

Q. フォロワーが多い人なら信頼できますか?

A. フォロワー数は購入することもでき、内容の正しさとは無関係です。判断材料にはなりません。むしろ、影響力が大きいアカウントほど、宣伝の依頼を受けやすい立場にあります。

Q. 「PR」と書いてあれば安心ですか?

A. 広告であることを明示している点は誠実ですが、紹介先が安全かどうかは別の話です。PR表記の有無に関わらず、紹介されているサービスが国内の登録業者かどうかは自分で確認してください。

Q. 有料の情報配信サービスはどう考えればいいですか?

A. 仕組みの解説や市場の整理にとどまるものと、特定の銘柄の売買を指示するものでは性質が異なります。後者は、内容によっては登録が必要な行為に該当する可能性があります。契約前に、提供内容が具体的に書かれているかを確認しましょう。

Q. 発信者に直接質問して確かめるのはどうですか?

A. 質問すること自体は問題ありませんが、返答の内容で安全性を判断するのは危険です。相手はいくらでも答えられます。確認先は発信者ではなく、金融庁のページや公式サイトです。

Q. すでにDMでやり取りを始めてしまいました

A. 入金していない段階なら、やり取りを止めてブロックすれば大きな問題にはなりにくいでしょう。個人情報を伝えてしまった場合や、少額でも送金した場合は、記録を保存したうえで#9110または188に相談してください。

Q. 友人から勧められた場合はどうすればいいですか?

A. 紹介した友人自身も、被害者であり同時に勧誘者になってしまっているケースがあります。関係性に配慮しつつ、判断は同じ基準で行ってください。人間関係を理由に確認の手順を省くことが、被害が広がる最大の要因です。

まとめ

ポイント
  • SNS型投資詐欺の被害は高い水準で続き、入口は広告とDMが大半
  • 無登録での暗号資産交換業は資金決済法違反。出資を募る勧誘は金商法の対象になりうる
  • 広告なのに広告と分からない投稿は、景品表示法の規制に関わる
  • 「利益を断言」「元本保証」「DM」「急がせる」は代表的な危険信号
  • 紹介先が金融庁の登録業者かを、自分の目で確認する
  • 迷ったら入金せず、188・#9110・金融庁の相談室へ

発信者を疑うことが目的ではありません。誰の発信であっても、同じ手順で確認する習慣を持つこと。それが、自分の資産を守る一番確かな方法です。

参考:金融庁 暗号資産の利用者のみなさまへ|警察庁 SOS47 特殊詐欺対策ページ|消費者庁 ステルスマーケティングの規制

※記事執筆時点の情報です。統計は警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」によります。制度・法令は変更される可能性があるため、最新の情報は金融庁・消費者庁・警察庁の各公式ページでご確認ください。本記事は法的助言ではありません。仮想通貨(暗号資産)は価格変動が大きく、元本が保証されている商品ではありません。投資は自己責任のうえ、余剰資金の範囲で行ってください。

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