「楽天ポイントで仮想通貨が買えるらしい」——そう聞いて楽天ウォレットが気になっている方は多いのではないでしょうか。現金を出さずに始められるなら、たしかにハードルはぐっと下がります。
楽天ウォレットのいちばんの特徴は、楽天ポイントを使って暗号資産を購入でき、逆に暗号資産を楽天キャッシュにチャージして買い物に使える点です。楽天経済圏のなかでポイントと暗号資産と決済がひとつにつながる設計は、他の取引所にはない独自性があります。
一方で、取扱銘柄や取引形式には割り切った部分もあります。この記事では楽天ウォレットの特徴とメリットを整理しつつ、注意しておきたい点や向いている人まで、フラットにまとめました。

楽天ウォレットの基本情報
楽天ウォレットは、楽天グループの楽天ウォレット株式会社が運営する暗号資産交換業者です。公式サイトによると、暗号資産交換業者としての登録番号は関東財務局長 第00015号とされています。
登録の有無は金融庁が公表している暗号資産交換業者登録一覧で確認できます。聞いたことのある企業名でも、まず登録業者かどうかを確認する——この習慣は暗号資産と付き合ううえで基本になります。
サービスは大きく2つに分かれています。
- 現物取引:暗号資産を実際に保有する取引
- 証拠金取引:証拠金を預けて行うレバレッジ取引
記事執筆時点の公式サイトでは、現物取引で5銘柄、証拠金取引で9銘柄、合わせて14銘柄を取り扱うと案内されています。現物で買える銘柄と証拠金取引の対象銘柄は同じではないため、目当ての通貨がある場合は楽天ウォレットの公式サイトで取扱通貨一覧を確認してください。
メリット1:楽天ポイントで暗号資産が買える
楽天ウォレットの看板とも言える機能です。楽天ポイント(通常ポイント)を使って暗号資産を購入でき、100ポイントから交換できるとされています。
この仕組みのいいところは、心理的なハードルの低さです。「現金を入れるのはまだ怖い」という段階でも、買い物で貯まったポイントなら試してみようと思えます。実際、値動きの体感をつかむには、少額でも実際に持ってみるのがいちばんの近道です。
値動きの背景にある仕組みもあわせて知りたい場合は、仮想通貨の入門書を一冊手元に置いておくと理解が進みます。
ポイントで購入した暗号資産にも当然ながら価格変動があります。ポイントだから損をしない、というわけではありません。また期間限定ポイントは対象外とされており、使えるのは通常ポイントのみです。対象となるポイントの種類や交換条件は変更されることがあるため、公式の案内を確認してください。
メリット2:楽天キャッシュへのチャージができる
もうひとつの独自機能が、保有している暗号資産を楽天キャッシュにチャージできる点です。楽天キャッシュは楽天市場や楽天ペイの加盟店で使える電子マネーなので、暗号資産をそのまま日常の買い物に近い形で使える導線があるということになります。
一般的な取引所では、暗号資産を使いたければ一度日本円に換えて銀行に出金し、そこから支払いに回すという流れになります。その手間を短縮できるのは、楽天経済圏を日常的に使っている方にとって実用的なメリットです。
ただしチャージには条件や上限が設定されている場合があります。利用前に公式サイトで条件を確認しておきましょう。

メリット3:楽天銀行との連携がスムーズ
楽天銀行の口座を持っていれば、入出金の操作が簡潔に済みます。グループ内で資金の行き来が完結するため、着金待ちのストレスが小さいのは日常的な利点です。
すでに楽天銀行や楽天証券を使っている方であれば、資金管理を一箇所にまとめやすいという意味でも扱いやすいでしょう。
メリット4:アプリがシンプルで迷いにくい
楽天ウォレットのアプリは、情報量を絞ったシンプルな設計です。板やチャートがずらりと並ぶプロ向けツールと違い、「買う」「売る」がすぐ見つかります。
暗号資産に初めて触れる方にとって、この分かりやすさは想像以上に大きな価値があります。画面の複雑さに圧倒されて挫折する、という入口の失敗を避けられるからです。
知っておきたい注意点
取扱銘柄は絞られている
取扱銘柄数が多い取引所と比べると、楽天ウォレットの現物取引で買える銘柄は限られています。幅広いアルトコインを触りたい方にとっては物足りなく感じるでしょう。「まずはビットコインなど主要な銘柄から」という方には十分ですが、銘柄の幅を求めるなら別の取引所との併用が現実的です。
現物は販売所形式が中心
楽天ウォレットの現物取引は販売所形式が中心です。販売所は操作が簡単な反面、売値と買値の差であるスプレッドが実質的なコストとして乗ります。短期で売買を繰り返すほど、このコストは効いてきます。
板取引でコストを抑えたい方は、板取引に対応した取引所を検討したほうが目的に合うでしょう。
証拠金取引のレバレッジは最大2倍
国内の暗号資産関連のレバレッジ取引は、個人の場合、証拠金倍率の上限が2倍に制限されています。これは楽天ウォレットに限らず国内の登録業者に共通するルールです。
証拠金取引は、預けた資金を超える損失が生じる可能性があります。相場が急変すればロスカットが想定どおりに働かないこともあり、現物取引とはリスクの性質がまったく異なります。仕組みを理解しないまま始めるのは避けてください。
サービス内容は変わる
暗号資産の分野は制度もサービスも動きが速く、取扱銘柄の追加・終了やサービスの改定が起こります。数年前の解説記事の内容が、いまも同じとは限りません。口座を開く前には、必ず公式サイトで現在の提供内容を確認してください。

ポイントで暗号資産を買うときの考え方
楽天ウォレットの入口はポイント投資ですが、「ポイントだから気楽」で終わらせず、少しだけ意識しておきたいことがあります。
ポイントで買っても値動きは同じ
ポイントで購入した暗号資産も、現金で買ったものとまったく同じ値動きをします。元手がポイントであることと、資産としてのリスクの大きさは別の話です。数か月で価値が半分になることも、逆に大きく上がることもあります。
とはいえ、これは欠点ではありません。むしろ「値段が動くものを持つとはどういうことか」を、痛みの少ない形で体験できるという意味では、入門として理にかなっています。
買ったあとに何をするか決めておく
意外と見落とされがちなのが出口です。ポイントで買った暗号資産をどうするのか——長く持ち続けるのか、一定の水準になったら楽天キャッシュにチャージして使うのか、日本円に戻すのか。先に方針を決めておくと、値動きに一喜一憂しなくて済みます。
少しずつ買うという選択肢
まとまったポイントを一度に使い切るのではなく、毎月少しずつ買っていく方法もあります。購入のタイミングを分散させることで、高値づかみの影響をならす効果が期待できます。もちろん価格が下がり続ければ損失は出ますが、一点集中で買うよりは値動きの影響を平準化しやすい考え方です。
記録を残しておく
いつ、いくら分のポイントで、どれだけの数量を買ったのか。この記録は、あとで売却したときの損益計算に必要になります。取引履歴はダウンロードできるので、年に一度は保存しておく習慣をつけておくと確定申告の負担が軽くなります。
購入日や使ったポイント数を手書きで控えておきたい場合は、投資記録用のノートも便利です。

他の取引所と組み合わせるという考え方
楽天ウォレットは、単独ですべてをまかなうタイプの取引所というより、明確な強みを持った選択肢です。そのため他社との使い分けがしっくりきます。
| 目的 | 相性のいい選び方 |
|---|---|
| ポイントで気軽に始めたい | 楽天ウォレット |
| 幅広い銘柄を触りたい | 取扱銘柄の多い取引所 |
| 板取引でコストを抑えたい | 板取引に強い取引所 |
| 入出金や送付の手数料を抑えたい | 手数料無料の項目が多い取引所 |
複数の口座を持つこと自体は珍しくありません。ただし口座が増えるほど年間の損益計算は手間になるので、取引履歴の管理は意識しておきましょう。
組み合わせを考えるときのコツは、「自分がいちばん多く使う機能は何か」を先に決めることです。ポイント投資が中心なら楽天ウォレットを軸に、売買の回数が増えてきたら板取引に強い取引所を追加する。この順番で広げていけば、無駄な口座を増やさずに済みます。
税金の扱い
暗号資産の売却などで生じた利益は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として雑所得に区分され、給与など他の所得と合算する総合課税の対象となります。
ポイントで購入した暗号資産についても、売却して利益が出れば同様に所得の対象になります。「ポイントだから関係ない」とはならない点に注意してください。詳細は国税庁のタックスアンサーで確認でき、判断に迷う場合は税務署や税理士に相談するのが確実です。
損益計算の流れを事前に確認しておきたい場合は、仮想通貨の税金を扱った本も参考になります。
よくある質問(Q&A)
Q. 期間限定ポイントは使える?
A. 使えないとされています。暗号資産の購入に利用できるのは通常ポイントのみです。対象ポイントの条件は変更されることがあるので、公式の案内を確認してください。
Q. 楽天銀行の口座がないと使えない?
A. 楽天銀行がなくても利用できます。ただし入出金のスムーズさという点では、楽天銀行を持っているほうが扱いやすくなります。
Q. 買った暗号資産を他の取引所に送れる?
A. 銘柄によって対応状況が異なります。またトラベルルールへの対応により、送付できる取引所の組み合わせが制限される場合があります。送る前に公式の案内を確認してください。
Q. 少額から始められる?
A. ポイントであれば100ポイントから交換できるとされており、少額から試せる設計になっています。まずは無理のない範囲で、値動きの感覚をつかむところから始めるのがおすすめです。
Q. 本格的なトレードには向いている?
A. 取扱銘柄の数や取引形式を踏まえると、頻繁に売買するスタイルには向きません。メインの取引所は別に持ち、楽天ウォレットはポイント活用の窓口として使うという組み合わせが現実的でしょう。
Q. 楽天ポイントで買った分だけで運用を続けられる?
A. 続けられます。毎月の買い物で貯まったポイントを少しずつ暗号資産に交換していけば、現金を追加せずに保有量を増やしていくことは可能です。ただし価格が下がれば資産の評価額も下がるという点は、現金で買った場合と変わりません。無理のない範囲で続けることが大切です。
Q. 口座開設に費用はかかる?
A. 口座開設や維持にかかる費用は設定されていないのが一般的ですが、各種手数料の詳細は公式サイトで確認してください。
まとめ
- 楽天ポイント(通常ポイント)で暗号資産を購入できる。100ポイントから
- 保有する暗号資産を楽天キャッシュにチャージして買い物に使える
- 楽天銀行との連携で入出金がスムーズ
- アプリがシンプルで、初めての方でも迷いにくい
- 取扱銘柄は絞られており、現物は販売所形式が中心
- 証拠金取引のレバレッジは国内共通で個人は最大2倍
楽天ウォレットは、「暗号資産に興味はあるけれど、現金を投じるのはまだ怖い」という段階の方にとって、無理なく最初の一歩を踏み出せる選択肢です。ポイントで買った暗号資産の値動きを眺めているうちに、仕組みへの理解も自然と深まっていきます。
そのうえで物足りなさを感じたら、板取引に強い取引所や取扱銘柄の多い取引所を追加していけば十分です。焦らず、自分のペースで広げていきましょう。
暗号資産は価格変動が大きく、投資は自己責任です。生活資金ではなく余剰資金の範囲で行い、サービス内容や手数料の最新情報は公式サイトと金融庁の案内で確認してください。

※記事執筆時点の情報です。サービス内容や手数料は変更される場合があります。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。


